2017年11月06日

今週の注目感染症 平成29年・43週(10月23日~10月29日)

●1類感染症 ・患者発生の報告はありませんでした。

●2類感染症 ・結核の報告が3例ありました。このうち潜在性結核感染症の報告は1例です。

●3類感染症 ・患者発生の報告はありませんでした。

●4類感染症 ・レジオネラ症患者の報告が中部地区から1例ありました。患者は60歳代の女性です。5週続けて報告されています。土壌や水環境中に存在するレジオネラ属菌による感染症で、主な症状は肺炎や発熱です。高齢者や糖尿病などの基礎疾患がある方は、発症リスクが高いので特に注意が必要です。

●5類感染症(全数把握対象疾患)
・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の報告が盛岡市から1例ありました。患者は60歳代の男性です。
・劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告が盛岡市から1例ありました。患者は70歳代の女性です。
・梅毒の報告が盛岡市から1例ありました。患者は50歳代の女性です。

●5類感染症(定点把握対象疾患)
・感染性胃腸炎は奥州地区においてノロウイルス、一関地区においてサポウイルスの集団感染の報告がありました。どちらのウイルスも主な症状は嘔吐、下痢、発熱です。調理前や食事前、トイレの後には石けんと流水による十分な手洗いを行うこと、患者の吐物や便は使い捨ての手袋やマスクを着用し、塩素系薬剤で処理することが重要です。

・手足口病は増加し、宮古及び奥州地区で警報値(定点あたり患者数5人)を超えました。流行が長引いているので注意が必要です。飛沫、接触感染のほか、便に排出されたウイルスからも感染します。手洗いや排泄物の適切な処理と、患者との濃厚接触やタオルの共用を避けることが重要です。

【岩手県感染症情報センター より参照】
(平成29年10月3日更新)